帯状皮質って中間管理職なのか
(5-2)前帯状皮質(個別機能)
19)｢不快感｣
◎帯状皮質は、理性で処理し切れない様々な不快な情動体験(例えば、息苦しさ、飢餓感、口の渇き感、痛みなど)で活性化する。特に、前帯状皮質(更に膝下野:25野)は、不快な情動体験において中心的役割を担う。
◎延髄にある呼吸中枢からの指令と、気道や肺の感覚、血中の酸素･二酸化炭素などの濃度などがかみ合っていない場合に、大脳皮質がおかしいと判断することで呼吸困難(息苦しさ)を感じる。息苦しさを感じると、視床下部、扁桃体、扁桃体周囲領域、前帯状皮質、海馬傍回、前部島皮質、尾状核、視床枕が活性化する。
また飢餓時には、視床下部、視床、前帯状皮質、島皮質、眼窩前頭前野、側頭葉、海馬、海馬傍回、楔前部、尾状核、被殻、小脳が活性化する。
注)尾状核(大脳基底核の線条体)は、持続的で悲観的な価値判断を引き起こす脳部位である。
◎特に、前帯状皮質、島皮質、海馬、海馬傍回(扁桃体)の神経ネットワークが、飢餓感などの不快感を担う中核に位置する。その内で、前帯状皮質、島皮質は、顕著性ネットワークの中核を成す。
