帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (5-2)前帯状皮質(個別機能) 18)「葛藤」

帯状皮質って中間管理職なのか
(5-2)前帯状皮質(個別機能)
18)「葛藤」
◎「葛藤」とは、心の中に「相反する動機・欲求・感情」などが複数存在して、そのいずれをとるべきか「迷う」こと、である。前帯状皮質背側部(中帯状皮質前方部:24野)は、「行動モニタリング」(待ち受け態勢)に関わる。特に、二つ以上の行動を同時に引き起こし得る葛藤状況において強く活性化する。
帯状皮質は、複数項目、矛盾、葛藤、不確実性、不確定要素を発見し解決を図る機能を持つ。しかし、催眠は、その帯状皮質を抑制する。その結果、催眠者の指示一択になる。
◎前帯状皮質と内側前頭前野は、しばしば一緒に活性化する。葛藤的課題に「情動」性を付加すると、より前方の前帯状皮質(25野)が関わるが、「認知」的葛藤課題では、後方の背側帯状皮質(24野)、中帯状皮質(32野)が活性化する。
◎認知領域の背側前帯状皮質(24野)ないし中帯状皮質(32野)を含む領域は、葛藤状況の検出に伴い出現する瞳孔拡大に関与する。所で、瞳孔の大きさ(拡大縮小)は、交感神経と副交感神経の2つの神経により拮抗的に支配されている。瞳孔の拡大は、その内で交感神経が制御する。つまり、葛藤状況では、交感神経が優位に立つということである。
注)ストレスや葛藤を感じると、防衛反応として交感神経が高まり、副交感神経が抑制される。