帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (13)脳梁、交連 6)交連

帯状皮質って中間管理職なのか
(13)脳梁、交連
6)交連
6-0)交連
◎交連線維は、左右の大脳半球の「相同な皮質間を連絡」する神経線維(軸索)群である。左右を結び付ける交連線維には、脳梁、前交連、後交連、海馬交連、脳弓交連が存在する。個人において、まず「前交連」が形成され、ついで「海馬交連」、その後に「脳梁」が形成される。
参照)「脳弓」に関しては、「14)連合線維、帯状束、脳弓」の「(1)連合線維の種類」の「(1-2)脳弓」
注)左右の半球は、脳梁以外に、前交連、後交連などの線維(軸索)で結合されている。後交連と前交連は、ともに左右の「間脳」や「終脳」(大脳)を連絡する。なお、終脳胞は最終的に大脳となることから、終脳は大脳と同等の意味を持つ。終脳は、発生面(順序)からの命名である。
注)間脳は、視床視床上部、視床下部視床後部、脳下垂体に区別され自律神経の働きを調節、意識・神経活動の中枢を成す。
6-1)前交連
◎前交連は、主に「扁桃体、嗅球などの古皮質」(大脳辺縁系:古皮質(海馬、脳弓、歯状回))を連絡する線維であるが、一部新皮質を連絡する線維もここを通る。霊長類では、「前頭葉、側頭葉」からの線維が一部分通る。
◎前交連(脳梁の前端部にある線維束)は、前部と後部から成り、前部は、左右の嗅脳(人では著しく退化)を連結し、後部は両側の海馬傍回および側頭葉隣接部を連絡する。ということで、前交連は、海馬交連と共に、辺縁系を含む左右側頭葉間の連絡路として重要である。
脳梁に比べると前交連は非常に小さい。人の前交連の断面積は、脳梁の百分の一程度である。だが、下等動物ほど発達が良好である。
注)前交連は、嗅球やその核との連絡にとって重要な構造で、動物では高度に発達している。人では嗅機能が退化したためかなり小さな構造である。海馬交連と共に、辺縁系を含む左右側頭葉間の連絡路である。
6-2)海馬交連
◎海馬交連(=脳弓交連)は、前部(もしくは腹側部)と後部(もしくは背側部)に分けられる。「旧皮質、すなわち海馬と海馬傍回」を連絡する。人では海馬交連の発達がわるいが、背側海馬交連の方はよく発達している。
注)多数の線維が反対側の脳弓に入る。交連線維が薄く板状に広がって、一部は脳弓交連を形成する。
注)海馬体から出て乳頭体などに至る線維束である脳弓自体は、同側を結び付ける連合線維である。
参照)「脳弓」に関しては、「*1連合線維」「1)連合線維の個別的種類」「1-2)脳弓」
6-3)後交連
◎後交連と前交連とは、ともに左右の間脳や終脳(大脳)を連絡する。左右の視床や上丘の一部を結ぶ働きをする。間脳では後交連や手綱交連が発生する。

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