帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (13)脳梁、交連 2)脳梁の区分

帯状皮質って中間管理職なのか
(13)脳梁、交連
2)脳梁の区分
脳梁は、神経線維の「接続部位」先によって4つの部分に分けられる。前から後ろへと並べる。
1)吻部(脳梁吻):前頭前野、前運動野
2)膝部(脳梁膝):前頭前野(前頭葉)
3)体部(脳梁幹):23野(腹側後帯状皮質)と隣接、運動野、頭頂葉
4)膨大部(脳梁膨大):26野(脳梁膨大後部帯状皮質)と隣接、後頭葉、側頭葉
注)部位名:隣接部位
参考)瞑想経験者は、脳梁の中央部(幹)から前部(吻・膝)にかけての白質密度が増加している。
注)白質とは、主に神経線維(軸索)が集積し走行している配線領域をいう。それに対して、脳の表面の「神経細胞」が密集している部分を「灰白質」という。
参考)「帯状皮質」の区分
(A)膝下野(前部帯状皮質吻腹側部(前下部)(25野)=情動領域
(B)前帯状皮質:「32野」(腹側)、「33野」(脳梁接地)、「24野」(背側)
(C)後帯状皮質:「23野」(後部吻側、内側部)、「31野」(楔前部と隣接)
(D)脳梁膨大後方部皮質(26野、29野、30野)=長期記憶領域
注)脳梁の区分と帯状皮質の区分にはかなりの似通いがある。

3)脳梁の4区分と大脳新皮質との連絡
1)「脳梁吻」は、「注意制御」(注意の配分・選択・持続・転換など)に関わる。脳梁前部の中では、特に脳梁吻を通る神経繊維が重要で、「前頭前野」、「前運動野」の神経線維は、脳梁吻の中腹部に集中して左右半球を連絡する。
2)脳梁の前の方にある「膝部」は、左右の「前頭前野」をつないで「認知機能」を支える。前頭葉(特に前頭前野)の「内側部」は膝部の腹側部を、「外側部」は膝部の背側部を介する。
3)脳梁の中央の「体部」は、左右の「運動機能」を連絡する。脳梁吻側体部は、脳梁の上方に位置し行動制御、言語記憶、数概念に関わる。前運動野(6野外側面:「運動前野」)は幹(体部)の吻側を介する。「上頭頂小葉(頭頂葉)」は幹尾側の腹側、「下頭頂小葉」はその背側を介する。第一次感覚野、第一次運動野は、幹中央部を介する。「帯状皮質」の吻部は幹の前方を通り、尾部は幹の後部を通る。
注)運動前野は、下位の脳幹や脊髄に直接投射をしており運動実行に関与する。さらに、感覚情報に基づく運動、運動の企画、運動の準備、他者の運動内容の理解(ミラーニューロン)等において、主要な役割を果たす。
4)脳梁の後部の「膨大部」は、左右の「視覚情報(後頭葉)」を左右相互に伝える。脳梁膨大の後方は、非言語的視覚情報の伝達、前方は言語的視覚情報の伝達に関与する。後頭葉の18野、19野は膨大部を通る。下部側頭葉の尾部は膨大部のやや前方を通る。