帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (12)島皮質 3)島皮質の機能 3-1-4)感覚情報と島皮質

帯状皮質って中間管理職なのか
(12)島皮質
3)島皮質の機能
3-1-4)感覚情報と島皮質
◎感覚情報に関しては、島皮質前部は、嗅覚、(視床後内側腹側核から)味覚、内臓自律系、及び辺縁系の機能に強く関わる。島皮質後部は、聴覚(側頭葉)、体性感覚(頭頂葉)、骨格運動(帯状皮質運動野)とより強く関わる。
◎例えば、嗅覚に関しては、臭い情報は、嗅神経を伝わり、まず一次中枢である嗅球へと伝わる。匂い経路はいく通りにも分岐している。ここから「前梨状皮質」、「感情」に関する部位の「扁桃体」、「記憶」に関する部位の「海馬」、視床下部(乳頭体)、大脳皮質嗅覚野(28野:後嗅内皮質(嗅覚野)(嗅内野))などに伝わり、色々な情報処理をされて臭いとして認識される。最終的に、匂いの微妙な違いの識別は、主として前頭前野眼窩部(特に右半球)で行われる。視床から眼窩前頭前野だけでなく、島皮質への投射経路もある。
注1)嗅皮質(大脳古皮質に属す)は複数の下位に分かれる。最も広大な範囲を占めるのが梨状皮質で、更に前梨状皮質と後梨状皮質に下位分類される。
注2)大脳皮質第一次味覚野=島皮質。島皮質吻側部の吻側から尾側に向かって、甘味、旨味、塩味、苦味がスポット状に配列している。比較的好ましい味情報の受容部位が島皮質の吻側に集まり、苦味が島皮質の尾側の内臓感覚領域と近接している。
注3)高等動物ほど、外界の出来事を途中で抽象化しないで、生の感覚情報を高位中枢に伝え、詳細な分析は大脳皮質に任せるような構造になっている。
◎嫌悪感情に対して、日本語では、気持ちが悪い、吐き気を催す、などといった身体的表現を使用する。これは遡れば、腐敗した食物を体内へ取り込んだ時の体の拒絶反応が、言語化可能な主観的感情として意識化できる階層での表現である。感情には、その源には、必ず身体反応がある。特に主観的感情よりも更に身体的要素が強い情動ではそのことが強く当てはまる。