帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (10)帯状皮質運動野 4)帯状皮質運動野の機能 2)複数の選択肢から適切解を選択

帯状皮質って中間管理職なのか
(10)帯状皮質運動野
4)帯状皮質運動野の機能
2)複数の選択肢から適切解を選択
◎複数の行動から、一つを選択する場合に、帯状皮質運動野は、拮抗的選択肢を見つけ出して、そこから適切な解を選び取る。
注)帯状皮質運動野だけでなく、前帯状皮質は、複数の選択肢から選び取る機能がある。
疑問)複数の選択肢から選び取る機能は、膝下野、前帯状皮質、後帯状皮質脳梁膨大後部皮質に共通するものなのだろうか。
解)膝下野に関してはそのような機能はないし、後帯状皮質脳梁膨大後部皮質にもないので、複数の情報を監視(モニター)するのが、特に前帯状皮質(帯状皮質運動野を含めて32野24野)の基本的機能である。
3)不快な感情
帯状皮質運動野は、母子分離時の子供の泣き声や情動的発声に関わる。他者の痛みを目にする耳にする、つまり「他者の痛みに接するだけで活性化」する。つまり、不快(負)な感情が沸き上がる状況で、帯状皮質運動野を含む中部帯状皮質(24野)が活性化する。これも帯状皮質運動野に限定されず、前帯状皮質が持つ働きである。
4)前頭葉運動野と運動器官との中継点
◎「運動制御」には、運動(実行)器官、感覚器官、情報処理器官、企画器官など、具体的には、脊髄、脳幹、小脳、前頭前野、運動前野、補足運動野、運動野、体性感覚野、頭頂連合野などなど数多くの脳部位が関与する。
◎運動司令は、帯状皮質運動野を介して、実際の運動に変換される。帯状皮質運動野は、前頭前野外側部、一次運動野、前運動野、補足運動野(高次運動野)などの広範な「運動に関連する脳領域」と相互に線維連絡がある。また下位階層の、脊髄、橋核、赤核線条体視床などに出力して「運動の発動」に関与する。つまり、帯状皮質運動野は、上位階層の運動野、運動企画部位と、下位階層の運動発現部位とを繋ぐ(中継する)位置にある。
注1)「橋核」は、「大脳皮質」からの興奮性信号を反対側の「小脳」に伝達する「中継核」である。
注2)橋核とは逆に、「赤核」は、小脳から強力な入力を受けて出力する。つまり、橋核(出力部位)と赤核(入力部位)は、「小脳」との情報をやり取りする中継拠点である。