帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (7)帯状皮質の障害と症状 1-2)「前帯状皮質」と症状 1-2-6)その他(前帯状皮質を中心としての諸症状) 

帯状皮質って中間管理職なのか
7)帯状皮質の障害と症状
1-2)「前帯状皮質」と症状
1-2-6)その他(前帯状皮質を中心としての諸症状)
◎前帯状皮質の損傷では、認知(32野を中核とした前帯状皮質)、骨格運動(帯状皮質運動野:32野24野の背側部)、内臓効果器(25野と脳梁膝前野:32野腹側部)領域がしばしば侵される。
注)刺激を受ける部分が受容器、その受容器から情報を受けて働くのが効果器である。
◎認知過程の開始の喪失は、腹側前帯状皮質(32野)、背側前帯状皮質(24野)の損傷によって引き起こされた結果である。
◎「過敏性腸症候群」の患者では、「前帯状皮質の亢進」がみられる。
参考)「前帯状皮質の亢進」の仕組みについては、3)ADHD(注意欠陥多動症候群)を参照。
◎前帯状皮質の損傷と関連付けられる症状として、「エラー検出の困難」さや、競合的な「ストループ課題の遂行の困難さ」、「情緒不安定」、「不注意」、「無動無言」症がある。

1-3)後帯状皮質と症状
◎瞑想経験がある人に行った脳活動の測定では、内側前頭前野と後帯状皮質活動が低下していた。
1-3-1)「記憶」
◎後帯状皮質の損傷は、「記憶機能」を崩壊させ機能不全になる。なお、記憶機能とは、情報を「登録」し、「貯蔵」し、必要に応じて「再生」することに関する精神機能である。
◎頭頂連合野、後帯状皮質など、「脳の後方領域」(前頭葉より後方)の障害では、「作業記憶」の低下が強い。
帯状皮質後部の損傷例では、損傷側が左(半球)の場合「健忘症」候群(言語関連)を、右(半球)の場合「地誌的障害」(位置空間関連)を呈することが多い。
参照)記憶に関しては、「6)後部帯状皮質」の「(2)記憶」を参照。