帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (4)帯状皮質全般の機能 3)帯状皮質の機能

帯状皮質って中間管理職なのか
(4)帯状皮質全般の機能
3)帯状皮質の機能
3-2-8)内感覚
◎「内感覚」は、帯状皮質や、「島皮質」に到達する。
注)内感覚(内部感覚)とは、身体内部の刺激源から出される刺激によって身体内の状態や変化を意識させる感覚である。そこには深部感覚、内臓感覚なども含まれる。
参照)「内臓感覚(内感覚)」に関しては、「9)前帯状皮質膝前部(32野)」の「(3)機能1)内臓感覚(内感覚)」
3-2-9)架け橋
帯状皮質と島皮質は、上位階層(大脳新皮質、特に前頭前野)からのトップダウン的影響を受けつつ、「上位階層の高次機能と下位階層の大脳辺縁系・脳幹機能を結ぶ架け橋」的役割を演じる。だが上位階層からの影響を一方通行的に取り次ぐだけではなく、下位階層からのボトムアップ的情報・欲求・影響をも取り次ぐ双方向性を持つ。
3-2-10)表情を提示
◎前帯状皮質膝下部(25野)は、「悲しい」表情の提示の際、前帯状皮質膝前部(32野)は、「喜ばしい」表情の提示の際、前帯状皮質背側部(24野)は、「恐れ」の表情や恐れの声の提示の際、活動を高める。またすばやい情動反応の喚起に関わる。
注)上側頭溝は、前端が側頭極、後端が頭頂葉の角回まで伸びる。なお上側頭回・溝領域は、意図の理解につながるより繊細かつ詳細な認知を司る。上側頭溝領域の後方領域は、顔の動的な側面、即ち、表情、視線の移動、口の運動についての情報に関与する。また、上側頭溝領域は、形態そのものとその運動に関する情報を統合する領域である。
参照)「表情」に関しては、「6)後部帯状皮質」の「(4)顔面形態表情の認知」
疑問)脳部位によって、受容される感情の種類が本当に限定されるのだろうか。
解)嬉しい体験と嫌な体験にそれぞれ対応した神経細胞は、扁桃体基底外側核の異なる領域に局在(後方と前方に)しており、それらは互いに抑制し合う。