帯状皮質って中間管理職なのか

帯状皮質(帯状回)について調べた事柄を本の形式で提示していきます。

帯状皮質って中間管理職なのか (4)帯状皮質全般の機能 1)帯状皮質の区分

(4)帯状皮質全般の機能
1)帯状皮質の区分
(A)「膝下野(前帯状皮質吻側部)(梁下野)(25野)」=情動領域
(B)前帯状皮質:「32野」(腹側)、「33野」(脳梁接地)、「24野」(背側)
帯状皮質運動野を除く前帯状皮質は、吻側部と腹側部と33野と背側部である。
注)帯状皮質運動野(背側部)は、前帯状皮質にある、24野32野の背側部に当たる。補足運動野、頭頂葉、運動前野、前頭前野背外側部と密接に相互連絡する。
(C)後帯状皮質:「23野」(後部吻側であり内側部)、「31野」(楔前部と隣接)
(D)脳梁膨大後方部皮質(26野、29野、30野)=長期記憶領域
注)帯状皮質全般とは、帯状皮質の区分(A)+(B)+(C)+(D)を含める。
注)人の大脳において座標は、
座標で「前」を「吻」側、「後ろ」を「尾」側という。
また、座標で「上」を「背」側、「下」を「腹」側という。
大脳縦裂(大脳鎌)に近い方を「内側」、遠い方を「外側」という。
中心に近い方を「内側」、周辺部を「外側」ともいう。

2)帯状皮質の線維連絡
参照)「帯状皮質の線維連絡」は、「*1帯状皮質の連絡・接続」で述べたが、ここでは軽く触れるに留める。
◎大まかに言うと、機能的には、前帯状皮質は、扁桃体と密接な双方向の線維連絡があることなどから、情動、(情動が関与する)身体運動(反応)との関連が強い。後帯状皮質は、海馬傍回との線維連絡があり、空間認知や記憶などへ関与する。
(A)膝下野(25野)は、「扁桃体」や「視床」の前核・背内側核、「前頭前野」「眼窩部」などとの線維結合が強い。
注)「視床背内側核」は、前頭葉視床下部線条体などと連絡し、体性・内臓性情報を統合して前頭葉へ投射する。感覚に基づく情動に関係する。
(B)前帯状皮質は、「視床」髄板内核群、「運動関連領野」、「脳幹」と密接な結合がみられる。
注1)視床「髄板内核群」は、情動反応や痛みに対する行動に関与する。
注2)前帯状皮質には、帯状皮質運動野(の機能)も含まれている。人では、前帯状皮質帯状皮質運動野との明確な領域区分がない。
(C)後帯状皮質は、主に「頭頂葉」後部、「前頭前野背外側部」、「視床枕」、「視床」の後外側核・背外側核との結合が見られる。
注)視床「背側外側核」は、辺縁系と関連し、記憶や情動形成に関わる。「後外側核」は、視床の他の核からの線維を受け、頭頂連合野(上頭頂小葉)に連絡する。
(D)脳梁膨大後皮質は、主に「側頭葉内側部」、「前頭前野背外側部」、「視床前核」などと連絡がある。
注1)視床「前核群」は、乳頭体から線維入力を受け、帯状皮質と結合する。大脳辺縁系と関連しており、情動や新しい記憶と関連する。
注2)記憶形成に関与する側頭葉部位には、嗅内野、傍海馬台、前海馬台、海馬台、海馬(アンモン角)、歯状回がある。

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